宇治十二景をめぐる part.3「橋姫水社」
こんにちは、マルです。
宇治では雪の予報がされたりと厳しい寒さが続いています。
今回ご紹介する宇治十二景は「橋姫水社」です。
橋姫神社は、源氏物語「宇治十帖」ゆかりの古跡で、県(あがた)通りに脇にひっそりと鎮座しています。
祭神は瀬織津比咩(せおりつひめ)。宇治橋の守護神「橋姫」と称されています。
境内には瀬織津比咩と、水運の神の住吉神社が並んでまつられています。
1870(明治3)年に洪水で流されるまで、橋姫神社は宇治橋西詰にありました。
更にさかのぼって、橋ができた当時(646(大化2)年)には、宇治橋三の間に鎮座していました。
橋姫は、平安時代の和歌集「古今和歌集」で
さむしろに 衣かたしき今宵もや 我をまつらん 宇治の橋姫(詠み人知らず)
と男性を待つ愛らしい女性として詠まれている一方、恋愛絡みで嫉妬の鬼女とも言われてきました。
『平家物語』の「剣巻」が橋姫の物語の多くの原型となったとされます。
『源氏物語』の「橋姫」は薫君が大君に送った
橋姫の 心を汲みて 高瀬さす 棹のしづくに 袖ぞ濡れぬる
という和歌にちなんでいます。
橋を守る女神である橋姫は、縁切りの神でもあり、今も悪縁を切るご利益があると信仰を集めています。
参拝される際や宇治橋を渡る時には、橋姫に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
次回の宇治十二景は「朝日靄暉」をご紹介します。
橋姫神社
京都府宇治市宇治蓮華46
アクセス:京阪宇治駅・JR宇治駅より徒歩10分
ヤマサン企画 マル